2023年に40年間住み慣れたボルドーを離れ、シャラント県北部で新生活を始めました。この夏で2年になります。

 

 

「田舎に住みたい」と言い始めた主人

 

 

当時、夫は70歳、私は64歳でした。
定年退職した夫が、その一年後に、「田舎に住みたい」と言い始めました。
最初は「ご冗談を」と聞き流していたのですが、田舎の安くて広く素敵な家の広告を見る内に、私もその気になってしまいました。
そして、住んでいたボルドーの家を売り、ヌーベル・アキテーヌ地方内の田舎の家に買い換える検討を本気で始めました。
2年前のフランスは、物件購入の金利条件が良く、また地方都市ボルドーは人気が高く、住んでいた家はトントン拍子で買手が決まってしまいました。
2001年に買ったボルドーの家は20年後4倍の値段で売却しました。

 

 

公証人オフィス

次の家が見つかるまではストレスはありましたが、2023年6月20日、交渉人立会いで売/買手続きを同日午前中に無事済ませる事ができました。公証人のオフィスでは、大きな画面を前に、オンラインで相手の顔を見ながら資料を確認し、その資料も画像フャイルで、タブレットにサインをしたら、サインが資料に転送と、20年前は想像外な進歩に驚きました!

家を選ぶ条件

家を選ぶ主な条件は、予算内である/ネット光が整っている/隣の家が離れている/ボルドー・パリへの移動が複雑でない、などでした。その他、地域の自然災害リスク、DPEエネルギー性能診断、土地の粘土収縮膨張リスク、スーパー・薬局・病院への家からの距離などを調べました。また、近くに工場やゴミ焼却場がないか、川が近すぎないかなどを、グーグルマップで上から覗いて細かく確認しました。

シャラント県に引っ越し

新居は、シャラント県北部のボルドーから160km、車で約2時間、のシャラント県では一番小さな村にあります。
2010年にイギリス人同性カップルが建てたシャラント式の家は、5年後にオーストラリア人女性が大家さんとなり、2023年に私たちと、ユニークな生い立ちの家です。
人口41人の過疎化地域の村は9つの集落からできいて、11世紀の協会が唯一の自慢建築物です。
引っ越しした翌週は村長に挨拶に行き、地域の文化活動支援目的のアソシエーションに入会手続きをしました。
頼りになるのは、近くに住む人たちですし、役立つ情報も親切に教えてくれます。

イギリス人がたくさん

一つ驚いた事に、観光の名所もない不便な村にイギリス人がたくさん住んでいるんです。
地元の交渉人と雑談で、イギリス人がフランスに移住する理由を問うと、気候/食べ物/物件が安い/道路網の便などがあるそうです。
確かに、物件の安さと、国道N10、TGV通過のパリ・ボルドー間のアングレーム駅は便利です。
イギリス人移住者は年配が多く、フランス語はほとんど喋れず、地域のイギリス人同士のお付き合いで余生を楽しまれているように見えます。
入念に手入れされた庭を見ると、ここの家主さんはイギリス人だと一目瞭然です。

引っ越したものの

敷地1.63ヘクタールと広い土地を買ったものの、初年は、何から手をつけていいのか途方に暮れました。
野良仕事中に両太ももを虫に刺され、激しい痒さで往生しました。医者2件に電話をして、診察をお願いしたら、新しい患者は受け付けないと断られました。薬局で痒み止めのクリーム買ったのですがちっとも効果なしで、タオルに巻いた氷を肌にあてて痒みを我慢しました。
エコ目的で買った手押し草刈機は便利ですが、頑張りすぎて右肩がおかしくなるし、釜の草刈りでギックリ腰にもなりました。
最初の一年は観察期間と思うと気分的に楽だったように思いますが、歳をとってからの新生活スタートで焦りと無理があったようです。

村の女子会やアソシエーションに参加

村の女子会に巻寿司持参で2度参加しました。
長年者68歳、若くて32歳と年齢幅広く、参加者の口調が速く、内容も様々で、私には難しい会でしたが・・・巻寿司は美味しいと全部食べてくれました。
新居生活早々に入会したアソシエーションは月に一度の集まりがあるのですが、行ったり行かなかったり、気ままにやってます。

でも今年に入り、2件の活動を私からの提案・担当しました。
一つは、図書館(旧バス停留所)の掃除・整理整頓&春の植物交換、(今ちょうど、その植物交換でもらったダリアの花が満開。あぁぁー、美しい!来年もやりたい!)
もう一つは、教会の大掃除です。
次回は親しくなった同い年の女性と組んで、折紙のアトリエを提案しようと思ってます。

それにしても発想が日本人ですね!!

エコ放牧始めました

1.6ヘクタールの土地は、ほっておくと、3月から6月にかけて四方八方に草が生え繁り手にはおえない状態になります。
去年は村長に紹介してもらった農家が、18コの干草俵にしてくれました。
俵引き換えが手数料となり、農家も私たちも満足しました。
今年は3月から羊5頭が一部の土地の草を食べに来て、エコ放牧を始めました。
4月からは3頭の馬が1ヘクタールの草を食べに来るようになりました。
馬3頭の食べる草の量は半端なく、3頭がする糞の数も凄いんです!
飼主さん曰く、1日1頭24コ(頻度:1時間に1個)、1日3頭72コで、新鮮な糞は1kg前後です。
最初は鍬とちり取りで丁寧に拾っていたのですが、今は鍬で叩きつぶして地面に広げ、土地の肥料にしてます。
現在、我家の1ヘクタールの草を35日間で食べきった3頭は、青い草を求めて野原を点々と移動中です。

田舎暮らしの感想

新しい出会いあり色々な展開ありと、たいくつしません。
不便だと愚痴った買い物にも慣れ、計画的で無駄使いが少なくなりました。
車の移動も信号が無い田舎の県道は、ラジオから流れる歌を聴きながらドライブ気分で走ってます。
家族との連絡のやり取りは、ネットが通じ、携帯があるので、今まで通りです。

あれから2年がたちました。
遠くで牛の群れが黙々と草を食べる様子を眺め、夕日が沈む風景を見てふるさと西日本を懐かしく想います。
移り変わる四季の豊かさ、落葉樹の美しさ、小鳥の鳴き声、鹿のシルエットを見ると、嬉しい気分になります。
あぁー、いつまで呑気な田舎生活ができるのでしょうか。
今はケセラセラ~♪の気分で、新鮮な空気を吸いながら毎日を過ごしたいと思っています。

ローラン弥生